久しぶりに竹風鈴をつくった。ある環境イベントでの出しものである。
竹と麻ヒモだけで簡単につくることができ、窓辺につるしておくと、なぜかホッとする空間が生まれる。カランカランと鳴る涼しい音は、うっとおしい熱風をも和らげてくれるようだ。
イベント会場で、お孫さんを連れたご婦人に声をかけられた。「昔は竹でよく遊んだものですよ。水鉄砲をつくったり、竹とんぼをつくったりね」「菜箸(さいばし)は、竹がいちばん。余った竹をくださいな」。かわいいお孫さんたちが竹風鈴をつくっている間、しばし竹談議で盛り上がる。
竹談議は、いつも子どもの頃に遊んだ思い出となつかしい生活道具の話となる。竹やぶに入り切り傷だらけになって遊んだことや、手足に残った古い傷跡自慢。そうめん流しの樋(とい)と竹箸、竹コップづくりは夏定番の風物イベントグッズ。竹ほうきや竹プランターは趣たっぷりの庭道具で、竹しゃもじ、竹スプーンなどの台所用具もよくつくったものだ…と。
生活の中にもっともっと竹を置いてみてはいかがであろうか。金属やプラスチックとは違う落ち着いた素材とやわらかい手触りに、誰もが癒やされるに違いない。
問題は、竹取りである。びっしりと生えている竹林の中で、やぶ蚊と格闘しながらの作業はついついおっくうになる。だからいつも、かぐや姫に出会うことができると信じて足を運ぶ。そしてお約束どおり、今回もイベント会場でかわいいかぐや姫たちと出会うのである。 |