私の友人に木工の名人がいる。
木の独特な味わいを活かしてつくる彼のおもちゃは、子どもたちに大人気だ。
中でも杉の木でつくるペン立て自動車は逸品である。板材と円盤の車輪を組み合わせたシンプルなおもちゃであるが、木のやさしいぬくもりが伝わってくる。子どもたちはこの自動車をサンドペーパーで磨き、絵を描いたりヒモを付けて転がしながら空想の世界を広げる。
その自動車であるが、最初は約240年前に発明された蒸気自動車であった。ガソリン自動車が登場したのは約120年前。国産初のガソリン自動車は約100年前に登場した。今や自動車は生活必需品となり、併せて大気汚染や地球温暖化の原因の一つともなった。この環境問題の解決に向けてガソリン自動車から電気自動車へと、今また新たな歴史を踏み始めている。
人間が描いた夢は、失敗を繰り返しながらも確かに“現実”のものへと発展する。私の大好きな鉄腕アトムが登場したのは今から約60年前であるが、現在では本当に歩いたり踊ったりするロボットが現れた。ドラえもんは約40年前に登場。今年、いろいろなモノをつかむことができるドラえもんの丸い手が発明された。
ということは、あと50年もすれば、本当に鉄腕アトムやドラえもんと遊ぶことができるようになるかもしれない。さすがにそこまで生きることはできないが、ワクワクする夢を是非子どもたちと一緒に見たいものだと、いつまでもおもちゃから離れられないおやじである。
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