暑い夏が終わり、涼しい風を感じながら夜空の星を楽しむ季節になった。星を眺めるだけでずいぶんと心が癒されるわけだが、もし自分が何らかの才能に恵まれていたら、星空の楽しみ方も変わっただろう。
例えば、文学にたけていたらロマンチックな恋の物語を想いうかべ、音楽の心得があればしっとりとしたメロディを口ずさみ、科学に精通していたら遠い星の秘密に探究心を弾ませるといったように。
しかし残念ながらそのような才能には縁がない。小さい頃は「君は大器晩成だ」と褒められたもののいつまでたってもその兆候はなく、結局、きらめく星もただの酒のつまみと化してしまう。
先日鳥取短期大学で子どもたちと科学遊びに興じた。学校の先生や科学大好きおやじに交じって、鳥取県の職員さんが星取県をテーマにした望遠鏡や星座早見盤つくりを提供してくれた。真剣に工作に取り組む子どもたちを見ながら、「是非すばらしい才能を開花して星空を楽しんでくれ」と願ったのである。
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