結婚式考
 


華燭の典ともいう結婚式は、その名のとおり華やかで美しい灯の中で若い二人が生涯の伴侶となることを確認する人生の一大イベントだ。人間が成長していく過程で、更なるステップアップを目的とした通過儀礼でもあり、多くの親戚や友人を招いてお祝いするのが通例である。

明治初期までの結婚式は、自宅に身内を招いてささやかに祝いを挙げたとのこと。その後神仏の前で誓いを立てるのが一般的となり、最近では参列者全員を立会人とする人前式とか、記念写真だけで済ますフォトウエディング、式を挙げないナシ婚などそのスタイルが大きく変化している。

初婚年齢も上がり親類縁者とのお付き合いも少なくなると、結婚式にこめる意義もそれぞれ異なってくるのかもしれない。しかし結局は主役の二人が満足すれば良いわけで、昔のように親がとやかく言う筋合いのイベントでは無くなったことは確かだ。

わが家も同じで、子連れ結婚式をキリスト教式で挙げるから出席しろとの連絡が入った。参列者は身内だけの10名。場所は新婚旅行も兼ねてハワイ。長旅は苦手だとかお金がかかるなどとすねてはみたが、親の義務だと強硬姿勢。とやかく言う筋合いではないが、とやかく言ってみたい最近の結婚式事情である。


 日本海新聞 2018.11.30掲載

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