今年もまた、暑い夏が始まった。1日の最高気温が35℃以上となる「猛暑日」は10年前に改正された気象用語で、当時はピンとこなかったものの、今ではあたり前のように受け入れている。熱中症対策も念入りとなり、水筒や麦わら帽子をそろえてみたが、外へ出る元気はない。
真夏の太陽にうんざりした一日が終わるころ、「一雨欲しいね」が道端でのあいさつだった。暑気をおさえる夕立の後の冷たいビールがあるからこそ、夏の暑さの魅力があるというもの。しかし最近は、そのような悠長なことは言えなくなってしまった。
これまで経験したことのないような大雨が降っているという記録的短時間大雨情報が、テレビの緊急速報で流れる。今月九州北部で発生した集中豪雨の傷跡は深く、この先いつ自分の回りで発生しても不思議ではない。
世界気象機関によると、昨年の世界の平均気温は、観測史上で最も高くなった年だったとのこと。今年5月にはパキスタン西部トゥルバトで最高気温53.5℃を観測したと、信じられない記録も報告されている。地球温暖化の影響もいよいよ本格的になったなと思いながら、エアコンの効いた部屋に閉じこもってエネルギーを消費していることに、なんとなくさみしさを覚えるのである。
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