地震とおやじたち



くまもとおやじネットワーク堀さんのイラストを無断で借用 m(_ _)m

「今、ゆれています」「水道は飲用に耐えません」「炊き出し中、米不足」
熊本地震が発生してまもなく、九州のおやじからメールが入った。阪神大震災や東日本大震災の記憶がよみがえる。何かできることはないかと考えてはみるものの、やはり何も思いつかない。

いっそ現地へ行ってお手伝いをと思ったりしたが、足手まといになって二次被害を助長するのは確実だ。ため息ばかりでテレビの地震速報に見入っていた時、うれしい知らせが舞い込んだ。
おやじ達は、全国各地で不思議なネットワークを張り巡らしている。普段は静かだが、何か事があるとモゾモゾと動き出すアメーバのような存在だ。

福岡から、兵庫から、京都から、宮城から・・・次々とアメーバの触手が伸びて繋がり、あっという間に被災者支援ネットワークを作ってしまった。被害情報だけでなく炊き出しや支援物質集積地点の情報提供、すばやく集めてピンポイントで渡す義援金募集活動など、おやじ流の得意技が次々と繰り広げられる。

私も黙ってはいられない。「何をしましょうか?」と尋ねたところ、「できる方ができる事を」とのお返事。結局小銭で重い財布を探るだけだったが、全国のおやじ達の奮闘に、ただただ感心するばかりである。


 日本海新聞 2016.4.29掲載


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