これまで私は、自分の身体の健康について真面目に考えたことはなかった。もちろん不摂生な生活習慣であることは認めているから、多少の体調の悪さは黙って受け入れることにしている。しかしあまりにも身体のキレが悪くなったため、一大決心をして健康診断を受けてみた。
医学の力はあなどれない。視力聴力の低下やメタボリック症候群は仕方がないとし、肝臓や腎臓の機能低下もさもありなんと納得。だが画像に映るボロボロの胃粘膜、大腸のあちこちに顔を出しているおでき、更には肺の見事な白い影を見て観念した。これに生来の頭と顔の悪さを加えれば、全身これ病巣の塊であることが証明されたのである。
とりあえず遺書でも書こうと思い、おやじのつぶやき風にしようか、大スペクタクルロマン風にしようかと迷っていたところ、やさしい看護士さんに諭されて、節制生活を試みることとなった。初めての長期禁酒を体験し、完全禁煙とまではいかないまでも節煙を心がけた。
その結果体調はみるみる回復し、肺の影も消えた。大腸のおできとも共存できるとの診断をいただき、この調子だとやがて頭と顔の問題も解消するのではないかと期待しているのであるが、その兆候は未だ現れない。
|