学生たち


 年度末の忙しさには、毎度のことながらうんざりする。会計の締めやら報告書の整理やらと、苦手な作業には気分も乗らない。気がつけば、右にあった書類を左へ、左の書類を右へと移すだけの作業を続けている。その書類の中に大学生と撮った写真が混じっていた。

 今年度もたくさんの大学生がおやじと遊んでくれた。イベント会場で騒いだり、仕事を手伝ってくれたりと一緒に活動してくれるのがうれしい。彼らと仲良しになると、単位はきちんと取っているのか、就職は決まったのか、卒論はできたのかなどと、おやじの口はやたらとうるさくなる。

 よくよく考えてみると、おやじの学生時代は、今ほどせわしくなかったような気がする。毎日遊び呆け、お気楽三昧の学生生活であった。その結果、勉強不足が身にしみた人生を送ってきたわけであるが、そんなことを告白すると、ただでさえ疑わしいおやじの存在が危うくなるから要注意である。

 4年前にはまだ子どもだった大学生が、すっかり大人の顔になって卒業を迎える。うれしいことに、県外から来た学生の中に、県内に就職を決めてくれた子もいた。4月になれば、また新たな学生たちとの出会いがある。嫌われないよう、口数を減らさなければ・・・

 
日本海新聞 2014.3.25掲載

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