オリンピックの熱戦が続いている。メダルに向かって一段一段登り詰め、笑顔の4位を獲得した上村愛子選手、史上最高101.45点を出したフィギュアスケートの羽生結弦選手、計7回の冬季オリンピックに出場し、念願の個人銀メダルを獲得したスキージャンプの葛西紀明選手ほかたくさんの選手の姿に見とれている。
「オリンピックは参加することに意義がある」というのは、クーベルタン男爵の有名な言葉である。この名言を知ったおやじは、人生レースもそういったものだろうと理解し、「では、とりあえず参加」とつぶやきながら、ごくごく普通の参加賞をいただいてきた。
実はこの名言、1908年ロンドン大会で英米両チームの関係が悪化した時、アメリカの司教が礼拝で述べた言葉を引用したもので、「人生にとって大切なことは成功することではなく努力すること」という趣旨であることを知ったのは、ずいぶんと後だった。
「努力」を最も不得手とするおやじの大きな勘違いは内緒にしておき、金メダル獲得という明確な人生の目標を掲げて心・技・体を鍛えた選手達を、テレビにかじりついて応援する。すると技も体も鍛えなかったおやじでも、心だけは鍛えられたような清々しい気持ちになるのである。
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