年末年始を迎える頃になると、気持ちだけが慌ただしくなり、体は相変わらずの横着なままである。休日となると、何かおいしい料理でも作ってゆっくりと一日を過ごしたいと思いつつ、ついついスーパーの惣菜やファーストフードで間に合わせてしまう。
「和食」がユネスコの無形文化遺産へ登録されることとなった。四季折々の食材や地域の特色ある料理、美しい盛りつけ、正月や田植えなどの年中行事に関係する料理など、日本の伝統的な食文化が認められた。ちなみに「食」がテーマの無形文化遺産は、フランスの美食術、メキシコの伝統料理など、いずれも社会的習慣が対象となるらしい。
自慢ではないが、これまで私も煮物やら和えものに何度か挑戦したことがある。しかし、結果はいつも悲惨である。手軽に済ませることができておいしいコンビニレシピの味に、とても勝てるとは思えずさじを投げた。
先日、90歳になる母から差し入れが届いた。大根、人参、昆布の煮物は、醤油の薄味で柔らかく仕上げた一品。白菜のごま和えは、少し甘めでごまの香りが絶妙であった。既にコンビニ弁当が社会的習慣となっているおやじは、こんなおいしい和食で育てられたことに改めて感謝したのである。
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