家庭のコンピューターから、世界中の出来事をいち早く手に入れることができる時代になった。先日のロシアの隕石騒動やグアムの通り魔事件も、私が最初に知ったのはコンピューターからだった。写真や動画も簡単に見ることができ、その点テレビよりも重宝している。
つい20年ほど前は、自宅から世界の情報を集めることなど考えられなかった。通信には電話の受話器を使い、画面に1枚の絵を写し出すのもかなりの時間がかかった。しかし暇を持て余していた私にとって、コンピューターは最高の遊び道具であった。
インターネットが普及し、コンピューターの性能も一段とアップすると、趣味であるはずのコンピューターが仕事の道具と化した。できれば近寄りたくないと思うものの、“業務連絡【重要】”などといったメールが入ってくるものだから、しぶしぶつき合うこととなる。
最近、一度にたくさんの人と情報交換ができるフェイスブックなるものが流行っている。まだ一度もお会いしたことのない人や、ごぶさたしている友人から次々と近況や世間話が入ってくる。楽しく拝見しているが、自分から情報を流すことには躊躇する。楽しみの道具を、また仕事に使われるのではないかと身構えるのである。
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