積み木

 友人の木工屋さんが、県産の杉の木で円柱体と立方体の積み木を2,000個つくった。自分の体より高く積み上げることができる積み木を見た子どもたちは、あっという間に積み木遊びにのめり込む。

 積み上げては壊し、形を変えながらまた積み上げ、そしてまた壊す。2、3人で始まった積み木遊びの輪に次々と子どもたちが加わり、大人数での作業にも変化する。積み上げることに飽きたら、積み木をいくつも並べてその上に寝転がったり、大の字になった子どもの周りを積み木で形取ったりと、遊びの幅もどんどん広がる。

 たくさんの積み木で遊ぶ子どもたちのエネルギーとたくましい創造力には、ほんとうに驚かされる。一方おやじたちはというと、せっかく積み上げたものを壊したり、新たに積み直すといった作業はどうも苦手のようだ。子どもたちのような創造力が無くなったのか、横着になったのか、それとも変なあきらめ癖がついたのか。

 今年も残すところ後わずかとなった。大きな選挙も終わり、日本の舵取り役も交替した。日本に高く積み上げられた課題は、来年へと持ち越される。新たな年は、是非子どもたちのエネルギーと創造力を見習いたいな、見習ってほしいな、とつぶやくおやじであった。
 
日本海新聞 2012.12.25掲載

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