お気楽人生を送ろうと決め、数年前に勤めを辞めた。お給料を頂いていた頃は、いくら収入があって、いくら税金を払うのかといったことには、まったく無頓着であった。高金利時代に組んだローン返済や多少の贅沢も、なんとか片づけることができた。
当然のことながら、お気楽になった後の財布は、お気楽ではなくなった。納税通知書が届く時期は気持ちがどよ〜んと重くなり、そろばんを持ったトニー谷風のお役人さんに、「あなたのお名前なんてぇの♪」と追いかけられる夢を見たりする。それでもおやじは、国民の義務を果たすため、きちんと帳簿をつける。ささやかな数字が並ぶ帳簿をチェックする税理士さんのさみしい笑顔にも、もう慣れてしまった。
税に怯えるお気楽おやじの気も知らず、先日、消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法なるものが成立した。増税は辛いものの、老後という言葉を身近に感じはじめたこともあり、それなりに納得しながら「是非、税金を大切に使って下さい」とつぶやいた。
しかし、唯一の楽しみであるお酒やたばこも控えなければならない状況に追い込まれる。そこで2014年に8%減、2015年から10%減を提案したものの、我が家の野党の反発は厳しい。
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