食欲の春とは言わないけれど、陽気が良くなると食欲も芽を出し、お花見で一杯、春祭りで一杯と、お楽しみのシーズンを迎える。
美味しい料理を食べたくて、時々自分で料理を楽しむ。
綺麗な盛りつけや、隠し味を楽しむなどといった高尚な思考は持ち合わせていないし、誰かに食べてくださいと振る舞うつもりもない。
おやじは、自分だけ満足すればよいお気楽料理人である。
だからつくる料理は、正直いってまずい。
韓国宮廷ドラマの教えによると、料理人に一番必要なものは味を描く能力だそうである。
おやじ流に解釈をするならば、おいしい魚のアラ煮をイメージしながら、お鍋にお醤油、みりんなどを放り込んで煮込めばよい。
しかし、やはりまずい。
理解したことは、イメージだけではなく多少の努力が必要だということだ。
煮込み料理の最終課題は“肉じゃが”とした。
料理のために努力する姿を見せびらかせたくて、材料からこだわってやろうと生まれて初めて庭にじゃがいもを植えた。
おやじの食欲に迎合してくれたのか、少し暖かい日が続いたある日、芽が出た。
“新じゃが”でつくる“肉じゃが”はさぞかし美味いことであろう。
さて、じゃがいもの育て方は・・・イメージでは無理かしら?
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