木の自動車・ペンたて
 

 木の自動車・ティシュケースは、木工道具や機械を使う楽しさに少しでも触れさせたいと考えたツールでした。ただ工作の工程も多くあり、かなりの時間が必要です。出前木工教室などでたくさんの子どもたちに体験させるのには、少々厳しいキットです。
 またいくら間伐材を使うといえども、たくさんの杉の板を使いますので材料単価も高くなります。

 簡単に組み立てることができるキットであり、材料の単価も安く、でもきちんと木のやさしややぬくもりが伝わり、出来たら使う・遊ぶができるもの・・・という難題をクリアしたのが、この木の自動車・ペン立てでした。

 やぶちゃんがこだわったのが、材料を切り出すに際に出てくるゴミ(木の切れ端)を最小限にすることでした。その結果、ものすごくシンプルな車のボディとなりました。このシンプルなボディは、たいへん味わいのある形でもありました。

 作業は木を磨くことが中心ですが、車輪を取り付ける際に“木づち”を使わせることにしました。車軸を車輪に開けた穴に入れるだけの作業で、子どもの力でも簡単に取り付けることができるのですが、道具を使うという楽しさも味わってもらおうと考えたのです。

 ほとんどの子どもは、木づちを持たせると力まかせに車軸をたたきます。車輪は直ぐに割れてしまいます。当初は割れてしまうのを見せるのもいいかと思っていましたが、次々と簡単に割ってしまうので、材料が無くなってしまうおそれがありました。仕方がないので、少しアドバイスをしています。

 ある会場で、子どもがこの車に糸をつけてほしいと言いました。目的は直ぐにわかりました。子どもはその糸を持って、自動車を引っ張って遊んでいました。その姿をみていた他の子どもたちも、次から次へと同じ遊びを始めました。何台かの車を繋いてみたり、紙で自動車に飾りを付けてみたりと、遊びはどんどん広がって行くのですが、おやじのお手伝いはここまでです。

 ペン立ての自動車の当面の用途はおもちゃでした。おもしろい遊びが広がるのか、直ぐに飽きて元にペン立てに戻るのか。後は、お父さんお母さんにお任せしたいと思います。

おやじのつぶやき 2012.1

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