夏の日記


暇で何もやる気がない時間をつぶす手段として日記を書き始め、この夏で8年経った。物忘れ対策にはなるものの内容はどれもありきたりで、後で読んでもつまらない。

例えばお盆の頃は、いつも猛暑や台風のこと。今年は「超大型台風が山陰を直撃するとの予報。家族に帰省中止を命令。当日朝から暴風雨対策。防災行政無線の指示どおり身を守る行動を確認。準備万端で台風を待つも風雨はほとんどなく静かなお盆」と記した。

相変わらずつまらない理由は発想力や文章表現能力の乏しさにあるということを、既に理解している。そこで少しひねって、台風の影響が少ないのは狭い平野を囲む中国山地が山陰を台風から守っているからと推測し、「山陰の夏は安全で住みやすい」と追記してみた。

それでもかわり映えはせず、たぶん来年、再来年の夏の日記も同じようなことを書いているのだろうと思った。その一方で、つまらない日記で良いから何事もなく過ごせる夏であってほしいとも思ったのである。


 日本海新聞 2019.8.30掲載

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