断捨離


夏も近づくと部屋をすっきりして、例年のうんざりする猛暑に備えたい。私の部屋の四隅は、何が入っているのかほぼ記憶のない段ボール箱や書類綴りが占めている。開かずの押し入れ、開かずの引き出しも同様で、重なったホコリが固くシャットアウトしている。

2010年の流行語となった「断捨離」は、不要な物を減らして生活に調和をもたらそうとする思想だ。確かにすっきりとした部屋に身を置くと、心も和み、開放感を味わえる。時代遅れと笑われそうだが、連休の暇つぶしに試してみる気になった。

開かずの箱を開け、中をろくに確認することもなく、書類の束をまとめて紐で括った。旅先で買ったガラクタや汚れた子どものおもちゃも、名残惜しいと思いながら目を閉じてゴミ箱に入れる。古い写真やビデオフイルムは、後日計画的に整理することを誓って処分保留とした。

家族も断捨離を決行したらしく、私の知らない間にたくさんのゴミ袋を並べた。袋の中身はゴミ回収日当日になって知った。押し込まれたタオルやハンカチは、今私が使っているものよりはるかに新しいものだった。もしかしたらと思案した結果、結局部屋の四隅は元に戻ったわけだが、確か前にも同じことがあったような・・・


 日本海新聞 2019.5.31掲載

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