特別警報
 


「これまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った異常な状況」という特別警報が発令され、各地に記録的な豪雨と災害をもたらした。そしてその後の連日の猛暑。復旧作業を阻み、熱中症で病院に搬送される患者さんのニュースも連日だ。

小心者のおやじは、今年がたまたまそうなのか、もしかしたら毎年のように起こるのではないかと不安になることしきり。風車を巨人と間違え、痩せ馬に乗って戦いを挑んだドン・キホーテのごとく、自然の荒業に向かってバカヤロと怒鳴りながら石を投げつけたい気分である。

豪雨も猛暑も、教科書に出てくる地球温暖化の典型的な事例とよく合致している。地球温暖化の真偽については未だ賛否両論あるものの、学術論争は専門家にお任せし、エアコンがなければ熱中症で命が危ないという事態が生じている事実は受け止めたい。

くしくも6月、気候変動適応法が公布され、気候の変化に伴う災害や農作物被害などを防止・軽減するための計画策定や情報の提供が進められることとなった。ドン・キホーテおやじとしてもなんとかせねばと知恵を絞ったものの、結局、窓に日射よけ用のカーテンを取り付けるのが精一杯で、毎日うらめしそうに太陽を睨みつけるのである。


 日本海新聞 2018.7.27掲載


<目次へ>