体質改善


部屋での喫煙を禁じられているからという訳ではないが、庭に出て夜が白々と明けるのを眺めながら吸う煙草は楽しみだ。寒い冬でもそうである。つんと冷えた空気は、眠気だけでなく気持ちも目覚めさせてくれる。しかしこの冬の冷え込みは特に厳しく感じる。

今年2月前半の気象データを昨年、一昨年と比べると、やはり最低気温にマイナスの数字が目立つ。服を着こんだり体を動かしたりして工夫すればよいのであろうが、どうやら気温だけの問題ではなさそうだ。情けないことにこたつや毛布に頼る体質になってしまった。

一方隣の国では更に寒い気候の中、アルペンやジャンプ台、スケートリンクで熱戦が繰り広げられている。ケガを克服して勝ち取った感動の金メダル、風をつかみそこなったくやしい伝説のジャンパーなど新聞を飾る選手の活躍を見ると、寒さに嘆く自分が情けない。

所詮寒さは冬という季節の確認であり、いずれ訪れる暖かな日差しを待つ一過程だ。今から身体を鍛えて寒さに負けない体質に改善すれば、次の北京オリンピックには現地で日ノ丸の旗を振って応援できるかもしれない。さっそく計画を練ろうとこたつへ潜り込んだ時、改善すべきは体質ではなく根性だろうという声が聞こえたような。


 日本海新聞 2018.2.23掲載


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