冬の対策


 我が家の冬は、暖房器具が離せない。ある先生より気になる話を聞いた。交通事故で亡くなる人よりも、家庭内で亡くなる人の方がはるかに多いとのこと。その原因というのがヒートショック。暖かい部屋から寒い浴室へ、そして熱い湯舟に入るなど急激な温度変化により突然死を起こすというのだ。

 どうやら家の造りに問題があるらしい。私もろく勉強しないまま家を建ててしまった。まずお金もないのに、大きな窓をつけた。それも貧乏のくせに、部屋のあちこちにつけた。従ってせっかく部屋を暖かくしても窓からどんどん熱が逃げ、当然灯油代、電気代も悲しい結果となる。

 大きな窓の家は快適だと思っていた。吉田兼好の徒然草にも「家のつくりやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる」とある。しかし夏に冷房なしで過ごした日は無く、冬は暖かい部屋から一歩も出たくない。

 そこで総合的な冬対策を検討した。まず窓の断熱対策として、梱包用のぷちぷちシートを貼ってみた。コタツはおやじの基本的な生活環境だから離せないとして、残るは熱燗と湯豆腐という暖かい食スタイルの選択である。だが先生によると、私の場合総合的な対策ではなくて、抜本的な対策が必要だということらしい。

 
日本海新聞 2015.2.27掲載

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