環境の変化
   


 昨年の鳥取の猛暑日(日最高気温が35℃以上の日)の日数は27日で歴代3位、米子では20日で歴代2位を記録した。ちなみにいちばん多かった年は2010年。この年の日本の夏の平均気温は、気象庁が統計を開始した1898年以降で最も高い年であった。

 私が小学生の頃、得意な夏休みの自由研究は「気温調べ」であった。その頃30℃を越える日は、そんなに多くなかったように記憶している。研究の企画、調査、取りまとめを担当していた母が言うのだから間違いなさそうだ。

 先日、鳥取県農林総合研究所におじゃました。米は気温の高いときに稲の穂が出ると品質が低下するらしい。そのため田植え時期を遅らせたり、米の品種を替えるといった研究が行われている。栽培漁業センターでも、海の環境変化の調査や生産力を維持するための藻場造成技術の研究が進められている。

 身近な環境が、確実に変化している。その原因が地球温暖化によるものであれば、我々の生活スタイルが一因となっているということでもある。毎年の猛暑には冷たいビールとエアコンに頼るだけの我が身を反省しつつ、大切な地場産業である農林水産業や関連産業を守るために地道に研究を続けられている研究員さんに拍手を送りたい。

 
日本海新聞 2013.06.25掲載

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